2018年2月3日(土)~2月7日(水)の5日間、ニューヨーク市ジャビッツセンターにおいて「NY NOW(ニューヨークナウ)冬展」が開催されました。
NYNOWは、世界中からバイヤーが最新の家庭用品、生活用品、手作り用品等を求めて訪れるデザイン雑貨の大規模な展示会です。そして、日本からは、岐阜県の酒やキッチン用品、福岡の久留米絣(かすり)等がブースを設け、バイヤーを惹きつけていました。
その中で、今回は伝統ある有田焼から進化した佐賀県新ブランドを紹介します。
伊万里陶芸のおしゃれな急須ブランド「Good Pot」、日本らしさを追求した「WASABI」、和柄デザインの和・紋、和と洋を融合した食器ブランド「O.C.J」、有田焼きの鍋「HACHI」、見る角度で色を変える幻想的なカラーリングの「麟」、有田焼でジュエリーを作った「IDA」、有田焼の美しい熊の置物「MOMOCO」等です。
新ブランドの有田焼の特徴は、伝統である透き通るような白い磁肌と華やかで精緻な絵付の技はそのまま引き継いだ上で欧米の人達が好むデザインや機能が反映されているところです。
有田焼は今から約150年前の幕末、佐賀県が佐賀藩だったころ、パリ万博に出展されています。その歴史は古く約400年前の1616年に李参平(日本名「金ヶ江三兵衛」)が佐賀県有田東部の泉山で白磁鉱を発見し、日本で初めて白い磁器を焼いたことに始まります。17世紀からは欧州など諸外国への輸出が始まり、伊万里港から輸出したことから「IMARI」とも呼ばれ、「IMARI」はマイセンなど欧州磁器誕生のきっかけともなりました。
そんな有田焼が創業400年事業として海外で勝負しようと、新たなブランドで再び世界に向けて発信を開始し、2013年から2016年にヨーロッパを中心に行った有田焼創業400年事業は大反響のもといったん終わりました。そして今回、次なるステップとしてNYへ上陸したのです。
NYNOWが終了した翌日、ニューヨークマンハッタンにあるビルの一室において、NYNOWに登場した佐賀県の各出展者が集まり、代表者から有田焼のいつまでも変化せず本質的なものを持ち続けるプライドと新しい変化を取り入れ世界へ向けて再出発する意気込みが語られ、私はそこに「不易流行」的な姿を感じ心を動かされました。