10月6日にワシントンD.C.の国立樹木園(National Arboretum)内にある、国立盆栽盆景園(National Bonsai & Penjing Museum)において、日本の盆栽が寄贈されて40年が経過したことを記念し、祝賀イベントが開催されました。
国立盆栽盆景園は、1976年にアメリカ建国200周年のお祝いとして、日本の歴代首相や、秩父宮家、高松宮家などから日本の盆栽の名品53鉢を寄贈されたことを契機に設立されました。この度日本盆栽協会の理事長である岩﨑苗美氏から2鉢、日本水石協会事務局長を務める森前誠二氏から1鉢の盆栽が同園に新たに寄贈され、また園内にある日本庭園のリニューアルオープンのセレモニーが行われました。
1976年の盆栽の寄贈は、さいたま市の大宮盆栽村(さいたま市北区盆栽町)「蔓青園(まんせいえん)」の三代目であり、当時日本盆栽協会の理事長であった故・加藤三郎氏の主導により実施されました。
加藤氏はさらに1999年のクリントン米大統領来日の際、小渕首相より依頼を受け、迎賓館にてクリントン大統領へ3鉢の盆栽を贈呈したことから、2000年の日米友好式典の際には同氏もホワイトハウスへ招かれ、小渕首相夫妻とともに、クリントン大領領夫妻と懇談しています。
2008年に亡くなるまで、ワシントンD.C.に何度も足を運び、国立盆栽盆景園の盆栽の管理についてアドバイス等を行ってきたことから、同園内にある日本庭園には「Kato Stroll Garden」と加藤氏の名前が付けられています。
盆栽はアメリカでも「Bonsai」と知られ、盆栽専門店もあるほど非常に人気があります。今回の寄贈を始め、盆栽による国際交流がこれまで以上に進展し、日本文化の魅力発信にも繋がってほしいと願います。