11月1日にニューヨーク事務所において、クレアニューヨークセミナーを開催しました。食品輸出入の支援等も行い、ニューヨークで活躍しているフードコーディネーター太田あや氏を講師として迎え、「地方食文化の米国食品市場における可能性」~日本食の海外進出を成功に導くには~というテーマでご講演いただき、日系企業や政府関係機関などから合計33名の方々にご参加いただきました。
セミナーでは1.ニューヨークの日本市場の最新動向 2.日本食業界から見た米国食品市場 3.海外進出成功のポイント・留意点 についてお話があり、現場の豊富な体験をしているからこそ得られる生の情報が盛り込まれていました。
ニューヨークでの日系レストランの動向として、米国向けにアレンジすることなく、最近は日本そのままの味やサービスが受け入れられるようになってきているようです。例えばテーブルチェックではなくレジで会計する、日本の会計方法等が受け入れられるようになったことが挙げられました。
一方で、ブリトーと寿司が融合した「Sushirrito」といった日本食が独自に進化した例も紹介され、このようなフュージョン料理は、寿司の巻きかたが容易であったりするため、熟練した技術が不要になり、レストランの開業がしやすくなっているようです。
次に、米国市場で商談を進める際の留意点について説明があり、特に東海岸ではよりビジネスライクで現実的な環境にあり、商談においては相手にもたらすメリットを伝え、プレゼン資料や販促物は分かりやすく科学的根拠や消費者リサーチなどの裏づけがあるものを持ち込むことが大切ということです。
また、日本からの輸出成功のポイントとして、粉末、乾燥食品など、輸送コストが低く、破損リスクも低いものは流通しやすく、さらに最低1年の賞味期限のものであるべきとのアドバイスをいただきました。
地方産食品のブランド化が図れる分野として期待されるものは、日本産であることが商品評価に密接に結びついているものや、生産に日本の気候風土や技術が込められているもの、特許・商標などの知的財産権に裏づけされたもの等であるようです。
日本食の強みを活かせるトレンド・キーワードである「Non GMO:遺伝子組み換えではない」、「グルテンフリー」、「オール・ナチュラル」等は積極的にマーケティングに活用するようアドバイスをいただいたり、セミナーを通して経験に基づく適切な助言をいただきました。質問は質疑応答後の懇親会まで及び、参加者の興味関心を惹き付けたセミナーでした。