4月22日は地球環境を考える日「アースデイ」として、毎年世界中で様々な取り組みが行われています。
アースデイの始まりは1970年に遡ります。アメリカのG・ネルソン上院議員が、1969年のサンタバーバラで起こった大規模な石油漏れ事故を目の当たりにしたことをきっかけに、当時盛んだった学生運動からヒントをもらい、学生運動のエネルギーを使って、環境保護を国家的な政治の課題として持ち上げることはできないかと考えました。ネルソン氏は、アースデイを学生の春休みと最終試験の間の4月22日に設定し、この考えを全国のマスメディアへ発表するなど、全米へ呼びかけを行いました。そうして、1970年の最初のアースデイは、延べ2000万人にも及ぶアメリカ人が道、公園、講堂に集まりデモに参加しました。
現在では、世界中の10億人以上がアースデイに様々な形で参加していると言われ、アースデイが始まったアメリカでも毎年各地で様々なイベントが行われています。
ニューヨークにおいても、今年はアースデイに合わせて、47丁目 から17丁目の約2.5キロにわたりBroadwayが歩行者天国となり、その他にもシェアバイクが無料となるなど、車の交通量を減らす取り組みが行われました。歩行者天国となった道路には、ニューヨーク市内の緑化の取組紹介や、大気環境や水資源について紹介するNYCDOT (New York City Department of Transportation: ニューヨーク市交通局)のブースが設けられ、あいにくの雨ではありましたが、多くの人が足を運び、ニューヨークの環境について理解を深めていました。
アメリカ自然史博物館が提供する動画(https://youtu.be/xClCgciaSYM)によると、アースデイが始まった1970年以降、現在までに以下のような変化があったと言われています。
○世界の人口が2倍に増加
○二酸化炭素の排出量が約2.4倍に
○地球の平均気温が0.97℃上昇
○北極の氷が13.3%減少
○海面が10.8cm上昇
○野生動物が減少(陸上動物-38% / 海生動物-36% / 淡水動物-81%)
○170種以上の動物が絶滅
ここまでは、残念な結果が述べられていますが、アメリカ/世界における良い変化も紹介されています。
○1970年、大気浄化法が制定され、主要な大気汚染物質が7割減少
○現在製造されている車は、1970年に製造された車に比べて大気汚染の原因となる排気ガスを99%削減
○1歳児から5歳児における血中鉛濃度が90%減少
○1972年、DDT(有機塩素系の殺虫剤 / 農薬)の使用が禁止され、絶滅危機に分類されていたハクトウワシが再び増加
○1987年、世界でフロン類が禁止され、オゾン層破壊物質の排出が98%減少(皮膚がん患者が年間200万人も減少したと推測されている)
アメリカから始まったアースデイは、現在では世界中の人々が取り組む運動となりました。地球の問題を1人で解決することはできませんが、多くの方が取り組むことによって効果は現れてきます。多くの人々が地球の問題を自らの問題としてとらえ、何をするべきか考え、行動する日として、アースデイが続いていくことを願うばかりです。