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アップルのiPad導入により運営改善を図るノース・カロライナ州のコールネリウス町

ノース・カロライナ州のコールネリウス町(人口およそ25,000人)は6月から議会(コミッショナー委員会)でアップルのiPadを使い始め、議案(アジェンダ)の印刷をやめ、なるべく予算と自然資源の無駄遣いをなくす政策を追求している。過去、議会の開催ごとに平均200ページずつの議案20冊が用意されていたが、ミーティングが終わってからすぐにすべての議案はリサイクル箱に投げ捨てられた。その上、議案の印刷準備をするのに平均8時間かかっていたが、このiPadの導入によってその準備に費やされた労力とコストが大分削減できる。

地元新聞のHuntersville HeraldやNew York Timesなどによると、今年の一月ごろ、書類の取り扱いの多い同町政管理者、財政局長、警察署長の三役にiPadが支給され、同時に議案管理専用のソフトも購入し、議会のニーズに合っているかどうかなど、6ヶ月間試用が行われた。ラップトップに比べても機能が優れ利用者も大変満足し、議会議員6人全員と町政副管理者等のためにも購入した。現時点では、16台を所有し、さらに追加購入する計画があるようである。町政管理者のアンソニー・ロバーツ氏によると、iPadやソフトのコストは用紙・コピー代・人件費等の費用の削減により一年半ぐらいで回収できると想定しているとのことである。

ただ、唯一の不安は会議中にゲームをしないかということで、市民には「しっかり仕事をしてくれるように確認しないといけない」と冗談めかして言われているようである。

8月の上旬に町長のジェフ・タート氏に追加情報を問い合わせたところ、今、電子製品が日常生活に普及しているのに町のiPadの導入がこれだけ話題になったのは多少びっくりしたと最初に言い出した。スムーズに行っているかと聞くと、iPadに慣れることは数秒しかかからず、40代から70代までの議会議員にとってもまったく問題なかったとのことであった。おかげで、さまざまな紙の書類が不必要となり、町長自身もページをめくりながら情報を探す必要もないし、即座にノートやファイルを同僚に送ることも可能で、スケジュールの調整等もかなりやりやすくなった。これからも最先端技術を町役場の隅々に導入していく方法を探し続けると話していた。

これからほかの自治体もこの成功例を見て、同じように考える可能性が高そうである。

参考

2011年8月15日

執筆:Matthew Gillam, Senior Researcher