2012年9月14日
9月6日、ニューヨーク市交通局が「6 ½ 番街」の完成を発表した。6 ½ 番街は、6番街と7番街に並行してマンハッタンを南北に結ぶ約1/4マイル(400m)の通路で、これまで「知る人ぞ知る」歩行者空間として近隣のビジネスマンや市民に利用されていた。歩行者を自動車との接触の危険から守るため、51丁目から57丁目までの既存の6つのアーケード街の間の車道に、市が視認性の高い横断歩道、反射塗装、一時停止標識を整備したことで、マンハッタン・ミッドタウン中心部に新たに安全な歩行者空間が誕生した。
6 ½ 番街は多い時間帯には1時間当たり1200人の歩行者が利用しており、これまでも横断歩道の整備が求められていた。ニューヨーク市交通局長Sadik-Khan氏は「長くニューヨークに住んでいる市民でも、建物に隠れたこうした公共スペースを知らずに暮らしている。今回、6 ½ 番街が完成したことで、市の中心部の最も混雑の激しい場所において、歩行という交通の選択肢が追加された」と語っている。
横断歩道で結ばれた6つの空間は、市内に存在する500箇所の「民有公共スペース」の一部である。6 ½ 番街を構成する民有公共スペースは、1984年から1990年にかけて建設された商業ビル、ホテル、住宅の一部であり、オープンスペース、アトリウム、ロビー、通路など、様々な形態をしている。これらを結ぶ横断歩道の完成により、歩行者は通りを迂回することなく、最短距離で区画の中心部を移動することができるようになった。全ての横断歩道の周辺部で歩道が拡幅、一部ではベンチも設置され、歩行者空間としての快適性を増している。
ニューヨーク事務所長 園原 隆(東京都派遣)
参考:ニューヨーク市交通局ホームページ
http://on.nyc.gov/QgRp43