今日、路上に置かれた公衆電話はほぼ「絶滅」している。公衆電話が利用されていた時代、つまり1980年代後半に一般消費者用の携帯電話が発明されるまで、公衆電話は街の至る所に置かれていた。バス停、鉄道駅、空港では公衆電話は旅行者の必需品であった。では、残っている数少ない、そして今や使われなくなってしまった公衆電話設置場所をどうするべきか?
ニューヨーク市では、ある会社が、公衆電話(のあった場所)に今日的な意味を与えようと、パイロット事業を開始している。そこでは、電話は取り外され、代わりに大きなタッチスクリーンが置かれている。このスクリーンを利用して、歩行者、特に旅行者は、リアルタイムであらゆる種類の情報―観光名所、レストラン、政府のビル、地域イベントの場所と時間、地域商店による広告、そして、安全が重要な関心事であるこの時代に必要な地域の危険情報―にアクセスすることができる。
パイロット事業の終了後、ニューヨーク市はこの会社の収益の一部を受け取ることになっている。会社のCEOは、「市民の日常生活をよりよいものにするよう、市は、あらゆる種類の技術・手段を用いることができるべきである。」と語っている。
2012年11月21日
Senior Researcher, Seth Benjamin
訳 上席調査役 川崎穂高