2015年5月10日 (日)、日本文化を通じて日米交流を行うイベント、ジャパン・デイ がニューヨークのセントラルパークで開催され、多くの来訪者を集めました。今回、筆者を始めとする事務所職員5名が、ボランティアスタッフとしてヨーヨー釣りブースに参加したため、当イベントについて報告します。
1.ジャパン・デイの概要
今年で9年目を迎える当イベントは、日本文化を紹介し、日米の草の根交流を促進することを目的に、在ニューヨーク日本国総領事館と日系企業により開催されており、主催するJapan Day Inc.には、名誉会長として高橋在ニューヨーク日本国総領事が、会長として伊藤忠インターナショナル会社社長(CEO)の原田氏、副会長として日立アメリカ社取締役社長(日立アメリカ社取締役副社長)の 紺野氏と三井住友銀行執行役員の野田氏などが名を連ねています。
毎年5万人を超える来場者がある当イベントでは、今年は、日本食8ブースを含めた19ブース(本部ブース除く)の出展があり、ステージでは、12組の様々なジャンルのアーティストが、新旧の日本芸能を披露しました。
2.ジャパン・ランから1日が始まる!
朝8時、ジャパン・デイは4マイル(約6.5km)のジャパン・ランから始まりました。高橋総領事による激励の挨拶の後、男性3,000名と女性2,580名の計5,580名のランナーたちがセントラルパーク内を駆け抜けました。
このジャパン・ランは、ニューヨークロードランナーズ 、略して「NYRR」という団体が企画しています。NYRRとは、地域の人々の健康増進を目的とし、各地で大会やトレーニング教室などの事業を行っている非営利団体であり、このジャパン・ランは、NYRRが、ジャパン・デイ開催当初から合わせて開催している人気のランの一つです。走り終えたランナーたちには、ジャパン・デイにちなみ、ギョーザやお好み焼き、おにぎりなどの日本食が、疲労回復の軽食として振る舞われました。
また、イベント当日は母の日でもあったことから、ジャパン・ランの後で開催されているキッズレースと合わせて家族でランを楽しむ様子も見られました。
3.行列が途切れない各ブースと盛り上がるステージパフォーマンス
焼きそばやお好み焼き、ギョーザ、おにぎりなどの日本食を無料で提供するブースは、ニューヨークにおける日本食の知名度や人気度が高いことを裏付けるかのように、朝から長蛇の列でした。浴衣の着付けや歌舞伎のメイク、折り紙や書道の体験といった日本の伝統文化に触れるブースも人で賑わう中、JRグループの「スタンプラリー」を紹介するブースが筆者の目に留まりました。つい最近、JR東日本が行っていた、山手線エリアのウルトラマンスタンプラリーに目を輝かせていた筆者ですが、これは海外ではあまりなじみのない遊びであるのだと改めて認識しました。筆者と同じように、ニューヨーカーにも是非この魅力にとりつかれてもらいたいものです。
一方ステージでは、日本の伝統的な和太鼓や剣術、空手などの演舞とともに、その場で富士山の絵を書き上げるライブペインティングや、ダンスパフォーマンス、人気アイドルグループAKB48のライブなど現代の日本芸能も多分に披露されました。中でもAKB48の集客力はすさまじいものがありましたが、特に筆者世代は、日本のスーパーマリオなどのゲーム音楽を忠実に演奏していたバンドのステージに興奮しました。
ヨーヨー釣り順番待ちの長い行列
4.JETプログラム(外国青年招致事業)同窓会の活動
前述したブースが立ち並ぶ一角に、ひときわ行列が長いブースがありました。JETプログラム(外国青年招致事業)同窓会(以下、「JETAA」という。)らが構えるヨーヨー釣りブースです。JETAAニューヨーク支部 (以下、「JETAANY」という。)とジャパンソサエティー が共同運営しているブースですが、日本の夏祭りの屋台で欠かせないヨーヨー釣りに大勢の人が興味を示すようで、毎年多くの人が列を作ります。
ボランティアのJETAANYメンバーらは、行列の間に立ってヨーヨー釣りの方法と楽しさを伝えることで、待ち時間も人々を退屈させないように工夫しており、まさに日本人の「おもてなしの心」を体現していました。また、大人も子供も一緒になって、色とりどりのヨーヨーが浮かぶプールを眺めて楽しむ様は、日本文化特有の空間の温かさが感じられ、多くの人にこの感覚が伝わることを期待しました。
最後に、当イベントのボランティアを通じて、日本文化の浸透における草の根活動の重要性を再認識するとともに、筆者は、日頃から同様の活動を行っているJETAAメンバーに対し、感謝の気持ちを感じずにはいられませんでした。
ヨーヨー釣りを楽しむ人々
(丸野所長補佐 和歌山県派遣)