2024年11月17日から19日まで、ミネソタ州ブルーミントン市でクレアニューヨーク事務所の1年目の職員を対象とした自治体訪問研修を実施しましたので、視察内容の一部をご紹介します。この研修は、日本の行政との違いやベストプラクティスなどについて学ぶことを目的として実施されたものです。
ブルーミントン市は、人口約9万人で、ヘネピン郡(Hennepin County)に所属しています。ミネアポリス・セントポール国際空港から車で15分ほどの距離に位置し、市内には複数の幹線道路が整備されています。また市内には、アメリカ国内最大のショッピングモールである、モール・オブ・アメリカがあり、年間4,000万人以上が訪れます。
研修初日には、Japanese Garden at Normandale Community Collegeを視察しました。これは、ブルーミントン市内のコミュニティカレッジ(2年制の大学)内にある日本庭園で、東京都出身の庭園設計士である渡辺孝雄氏が設計を行い、1976年に完成しました。庭園には、池、石橋、松や竹といった要素の他、日本の伝統的な象徴である石灯籠や茶室の一部も含まれています。
研修2日目には、ブルーミントン市の予算や予算編成プロセスについて学びました。また、地域社会へのアウトリーチとエンゲージメント部門として設立されたCommunity Outreach and Engagement Division(COED)の取組についても学び、いかに市民を行政に参画させるかという点に重きを置いているかについて知ることができました。地域の経済を支えるモール・オブ・アメリカにも足を運び、その歴史も含めて学びました。
市内の消防署を視察し、現場での指揮系統や日々のトレーニングについて学んだ後、City Councilを聴講しました。議場には市長、市議会議員(City Councilmember)5名(1名欠席)、シティマネジャー、市法律顧問が出席。発言者も含め、公聴する市民は50名以上いました。「Japanese Local Government Professionals Day」のProclamation(宣言)では、JLGCを紹介いただき、当事務所長から挨拶をした後、ブルーミントン市からはProclamationの宣言書と記念品を贈呈されました。各Councilmemberと公聴している住民が活発な意見交換や議論を行っている様子が確認でき、市民の行政に対する高い関心を感じるとともに、議会も丁寧に市民の質問に応じており、市民に寄り添った市議会の運営がされている点が印象的でした。
研修最終日には、ブルーミントン市の経済関連事業について説明を受け、小規模事業者を含め、どのように市がスタートアップ支援を実施しているかについて、その仕組みを学びました。そのほか、市内の公園に関する新プロジェクトや、公衆衛生を推進するための取組などに関してもご説明いただき、大変充実した行程をこなすことができました。
Tim Busseブルーミントン市長及びJamie Verbrugge シティマネジャーを始め、ブルーミントン市のチームに限られた日程で様々な視察要素を盛り込んでいただいたおかげで、幅広くブルーミントン市のことを学ぶことができました。この場を借りて改めて感謝申し上げます。