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オルフェウスオーケストラリハーサル見学

ニューヨークに本拠地を置くオルフェウス室内管弦楽団という世界的に有名なオーケストラがあります。この室内管弦楽団は1972年にニューヨークで創立され、「指揮者を持たない」独特の演奏スタイルで殊に有名です。

この管弦楽団は、来年の4月に日本公演を行う予定です。公演の合間に学校との交流を希望しており、楽団から当事務所に地方の学校と調整を図るよう依頼がありました。当協会でそのお手伝いをしている関係で、今回(12月6日)、同月8日に行われるコンサートのリハーサルを見学する機会を頂きました。

リハーサルは前半と後半に分かれており、前半は楽団員のみで、ハンス・ロットの曲を、後半は、8日のコンサートでコラボをするチェリストのスティーヴン イッサーリス氏とともにC.P.E.バッハの曲を演奏しました。指揮者を持たないことから、コンサートマスターの合図によって一斉に演奏が始まります。一瞬のずれもない見事なハーモニーは、全くの素人の私でさえも感動を覚えました。

演奏者たちのコミュニケーションの取り方は、コンサートマスターが楽譜の番号で弾く場所を示し、全員で一斉に演奏した後、曲のテンポ、強弱、レガートや音色について、お互いの解釈の違いを言葉あるいは実際に弾いて表現し、その都度、演奏の選択肢が多数ある中で個々の楽団員ひとりひとりが納得するベストの選択を模索しているようでした。

リハーサルの合間に楽団員の1人から聞いた「指揮者はいないけれども、それぞれの心の中に指揮者がいる。」という言葉が心に残りました。

(桜井所長補佐 警視庁派遣)