2012年10月、カナダ最大の都市、オンタリオ州トロントの自転車シェアリング“BIXI”の延べ利用者が100万人を超えた。トロントでは、2011年5月3日からダウンタウンの中心部に80箇所の貸出ステーションを設置し、自転車1,000台の体制で自転車シェアリングが運営されている。
大手電気通信事業者のTELUSと、Desjardins銀行が出資する官民共同事業はBIXIという名称で呼ばれ、The Public Bike System Company が運営する。カナダの都市としてはモントリオール(2009年5月)に続き2番目の自転車シェアリングである。メンバーシップ会費は月額40ドル(カナダドル、以下同じ)、年額では95ドル。会員以外は、24時間パス(5ドル)か72時間パス(12ドル)を購入することで利用が可能である。30分までの利用は無料で、その後は31分から60分までが1.5ドル、61分から90分までが4ドル、以降30分毎に8ドルが加算される。貸出ステーションの位置はスマートフォンのアプリでも検索することができる。ヘルメット着用は必須ではないが、ユーザーズマニュアルでは着用を推奨している。
100万人目の利用者Melanie Brayneさんには、1年間のメンバーシップとサムスン・ギャラクシー・ノートが贈呈されたが、この時の利用時間は13分だったという。自転車シェアリングが導入されている北米の他都市同様、短時間の利用を促進することでマイカー利用から公共交通機関へのシフトを図り、交通混雑の緩和や大気環境の改善など、都市の持続可能性を強化することが期待されている。 <.p>
2012年12月14日
ニューヨーク事務所次長 園原 隆(東京都派遣)