クレアニューヨーク事務所は、2022年7月9日から12日にかけてオクラホマ州オクラホマシティで開催されたCSG(The Council of State Governments)(全米州政府協議会)の南部支部の年次総会に参加しました。
[CSG-South会長Greg-Treat氏(オクラホマ州上院議員・臨時議長)のオープニングスピーチ]
【全米州政府協議会及び年次総会の概要】
(全米州政府協議会本体との関係)
全米州政府協議会は、1933年にコロラド州のヘンリー・トール上院議員の提唱により設立された米国の州、属領、コモンウェルスの立法、司法、行政の三権に関わる公選職、任命職(知事、州議会議員、各種行政官等)を支援するための団体です。設立以来、全米州政府協議会は州政府に対して、調査、情報提供やリーダーシップのための研修等を行っています。東部、中西部、南部、西部の4つの支部を持ち、全米州政府協議会本体だけでなく、各支部でも年次総会を開催しています。
(参考)全米州政府協議会のホームページ:https://www.csg.org/
南部支部のホームページ:https://csgsouth.org/
(全米州政府協議会支部の年次総会への参加(2019年度~))
当事務所は、全米州政府協議会本体の総会開催時にレセプション(参加者を総会参加者限定)を開催していましたが、日系機関・企業のほか、JETAA、過去のフェローシップ参加者など、これまでその地域毎で中々関わることが出来なかった方々を広く招待したレセプションを開催し、事務所のプレゼンスの向上とコンタクトの強化を図ることを目的に、2019年度より、全米州政府協議会支部の年次総会に参加し、レセプションを開催することとしました。
【年次総会の様子】
年次総会には米国南部地区の州議会議員など約1,400人が参加し、各分野で活躍する南部地区出身のゲストがスピーチを行いました。また、コロナ禍で深刻化したメンタルヘルス問題、EV車の普及に伴う燃料税による歳入減と道路の維持管理の問題、教員不足問題などに関するセッションが行われました。
[Lt-Col-Rooney氏(アメリカ空軍パイロット(「トップガン賞」受賞)、軍人遺族のための教育奨学金名誉財団Folds-of-Honor設立者によるオープニングキーノートスピーチ]
[J.C.-Watts氏(オクラホマ出身・元アメリカ合衆国下院議員、元プロアメフト選手)によるクロージングキーノートスピーチ]
[メンタルヘルスに関するトークセッション]
[教員不足問題に関するポリシーセッション。教員資格認定試験や教員見習制度、マイクロクレデンシャル(特定分野に焦点を当てた資格)などに関する各州の取組が紹介された。]
【国際関係フォーラム】
年次総会のプログラムの1つとして国際関係フォーラム(International Relations Forum)が開かれました。日本及び台湾のパネリストを招き、南部諸州における貿易、投資等に関する各国の状況等についてのセッションでした。
モデレーターは、Chad McCoyケンタッキー州下院議員・CSG International Committeeチェアが務め、日本からはJETROヒューストン事務所の桜内所長が登壇し、貿易摩擦是正の流れで輸出から直接投資に移行してきた経緯、その結果米国内の多くの州において日本が投資額No.1になっていること等についての説明がなされました。台湾からは台北駐米経済文化代表処のBenjamin Hsu経済部長が登壇し、半導体関係の状況を中心に、米国との間の貿易・投資の促進に係る取組等についての説明なされました。
各プレゼンテーションの後、出席者(主に州議会議員)より質問が寄せられました。南部諸州での事業環境に関する質問について、桜内所長からは、人材確保、特にSTEMに優位性を持つ人材の確保に関する課題が示されました。また、駐在員を含む生活環境(学校等を含む)についても課題として示されたものの、近年のこれらが改善しつつあることについて、日台双方より感謝の意が示されました。
[国際関係フォーラムの概要(CSG Southのホームページより)]
【ローカルサイトビジット(視察見学)】
総会期間中は、開催市の行政施設関連を視察するローカルサイトビジットが行われました。私たちは、Oklahoma National Stockyards Tour(牛の競売場視察)に参加しました。
オクラホマのストックヤードシティは、大規模な牛の競売場として、100年以上に渡り、オクラホマだけでなく、全米へ牛肉を卸しています。また、ストックヤードシティは、古くて歴史的な商業地区の活性化を支援するMAIN STREET AMERICA PROGRAMに指定されており、その伝統的な街並み(カウボーイスタイル)などの保存・活性化を図っているとのことでした。
競売場は、広大な家畜場の上に高架で通路が設置され、全体が見渡せるようになっていました。場内にある競り用の建物では、視察の当日に実際の競りが行われており、落札するまでの一連の流れを見ることができました。
【当事務所主催レセプション】
年次総会において、当事務所主催のレセプションを開催しました。1時間ほどのレセプションでしたが、約80名の来場があり、当事務所の活動内容や全米州政府協議会との関わりなどを説明しながら、参加者との交流を深めました。参加者の中には、秋にインターンシッププログラムで来日予定の方や、南部地区(特にテキサス州)に進出している日系企業と関わりがある方など、日本に興味関心を持つ方が多く見受けられました。CSG South会長のGreg氏も来場し、当事務所との引き続きの関係の構築を望まれました。
[CSG South会長Greg氏と交流を深めるクレアニューヨーク事務所スタッフ]
【最後に】
全米州政府協議会をはじめ、州・地方関係団体が開催する年次総会への出席は、北米事情の情報収集を行うとともに関係者との連携強化を図る重要な機会です。クレアニューヨーク事務所では、今後も北米の地方政府の取り組みについて発信してまいります。