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厳しい未来に直面するロードアイランド州セントラル・フォールズ市

先週、州から任命されて市の財政を管理するセントラル・フォールズ市(City of Central Falls, RI)の管財人が、市の破産を宣言した。こうして市は、地方政府の破産について規定する連邦破産法第9章に基づく保護を申請することになった。この決定までには長い期間がかかった。管財人はセントラル・フォールズ市の財政を1年以上前から管理していたが、財政難を克服する有効な手段は見つからなかった。

セントラル・フォールズ市は、小さな町であり、面積は1.3平方マイル(3.3平方キロ)に過ぎない。人口は約19,000人であり、比較的所得が少なく、ヒスパニック系住民が大宗を占め、失業率は全国平均をかなり上回っている。

ここ1年、同市では異常な事態が相次いだ。まず、高等学校の教員が全員解雇された(後に復職したが)。コミュニティセンターも閉鎖され、高齢者へのランチ提供は行われなくなった。公共プールも閉鎖・抜水された。市の健康診断も実施されなくなり、職員が立ち入らないよう施設の鍵は交換された。図書館は閉鎖され、返本はどこか別のところにするよう張り紙が貼られた。

原因は、まず、市職員の年金である。市は、未拠出の年金その他の福利厚生に関する負債として8,000万ドルの負債を抱えており、さらに今後5年間で2,500万ドルの歳入不足が見込まれている。また、連邦保安官事務所のために運営されていた非営利法人営のドナルドW.ワイアット拘置所からは、固定資産税に代わる資金として年間50万ドルが市に支払われるはずであったが、ここ2年間その支払もない。加えて、州の管財人が、「役所文化」と呼んで非難する財政問題への取組に不熱心な当局の姿勢があった。

市長と議員は、市が管財人管理に移行して以来、これまで州政府が実施してきたことを知らされず蚊帳の外に置かれたことに憤慨した。その不満は、これまで3人の管財人が次々に交替し、市議会議長がいうところの「誰も市の収入を1セントも増やさなかったし、市の支出を1セントも節約しなかった」という事実によってさらに増幅された。

これまで市の現役職員及び退職職員の双方に譲歩を求める交渉が行われてきたが、結局、職員たちは、自ら譲歩することをよしとせず、破産手続により市の財政状態を再編する以外の手段は残されていなかった。しかしながら、自治体の破産手続は決して万能薬ではない。裁判所は、私的破産手続に比較して、より限定された権限しか持っていない。この点が、関係者が破産手続の利用に慎重にならざるを得ない理由の一つかもしれない。

2011年8月9日

執筆:Seth Benjamin, Senior Researcher

訳:川崎穂高