毎年8月6日に、広島市では原爆で犠牲になられた方を追悼する平和祈念式典を開催し、今年で70回目を迎えます。この式典では、平和を祈る「平和の鐘」が鳴らされていますが、実はこの「平和の鐘」は広島以外の場所にも存在することをご存知でしたか?
その一つであり(※)、広島市の友好姉妹都市であるカナダ・モントリオール市では、原爆が投下された8月5日19時(日本時間8月6日8時)に合わせて、モントリオール植物園内で平和祈念式典を開催しています。園内の日本庭園には、1998年に広島市からモントリオール市へ友好の証として贈られた「平和の鐘」があり、70年目の節目となる今年は、世界恒久平和を祈って70回の鐘の音が鳴らされることとなっています。モントリオールオリンピック公園で平和を祈るコンサートも同時に開かれ、会場に設置される巨大スクリーンで、広島で開かれている平和式典の様子が同時中継されます。
今年6月に松井広島市長がモントリオールを訪問された際には、この「平和の鐘」を視察し、世界恒久平和の実現に向けた思いを新たにされました。同じく4月に核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議に出席するため、ニューヨーク国連本部を訪れた際には、広島と沖縄の高校生による非核ユース特使団と一緒に、核兵器の悲惨さと核兵器のない世界の実現へ向けた強い想いをスピーチしています。
国境を超え、世界各地で平和をアピールする取り組みが行われていることは大変素晴らしいことだと思います。広島にとって特別な日である8月6日が、世界中で平和への願いを共有し、核兵器のない世界の実現へ向けた取り組みが進展する日であることを祈ります。
※「平和の鐘」を広島市から贈られた都市は、カナダ以外にも6地域(アメリカ:ニューヨーク市国連本部内、ホノルル市)、ドイツ:ハノーバー市、中国:重慶市、韓国:テグ市、ロシア:ボルゴグラード市)あります。
2015年8月
所長補佐 建道(広島市派遣)