ニューヨーク市の国連本部で開催された『NPT(核兵器不拡散条約)再検討会議第3回準備委員会』(以下「委員会」という。)に参加するため訪米した「平和首長会議」(会長:松井広島市長、副会長:田上長崎市長)代表団のうち、高校生8名(広島県6名、沖縄県2名)の“ユース非核特使”が、2014年4月28日、当事務所を訪問しました。
“ユース非核特使”とは、被爆者の高齢化が進む中で、被爆の実相の次世代への継承と活動の後押しを行うことを目指し、軍縮・不拡散分野で活躍する若い世代の人々に対して外務省から付与されるもので、各種国際会議やNGO主催イベント等の機会を通じ、軍縮・不拡散における活動成果を発表する役割などが委嘱される制度です。
ユース非核特使である8名は、平和首長会議が委員会開催期間中に国連本部内で開催する「平和首長会議ユースフォーラム」に出席し、“核兵器のない平和な世界を目指して”をテーマに4組に分かれてプレゼンテーションを行ったほか、ニューヨーク市内の公立高校(スタイべサント高校)での活動発表や国連学校との交流などを行いました。また、代表者の1名は、松井広島市長、田上長崎市長らと共に、潘基文(パン・ギムン)国連事務総長とも面会し、平和へ向けたメッセージを伝えるなど、世界平和の推進に向け、積極的に活動しました。
そうした多忙な日程の中、当事務所を訪問した8名は、翌29日に控えたメイン行事であるユースフォーラムでの発表に備え、所内会議室を会場に模擬発表を行いました。当事務所長以下、事務所職員が聴衆役を務める模擬発表の場では、英語での質疑応答も含め、それぞれが堂々と核廃絶へ向けた活動や平和への思いについてプレゼンテーションを行いました。練習会場には、途中、松井広島市長も立ち寄られるなど、本番さながらの発表となりました。
発表者が行ったアンケート調査では、50%以上の若者が1945年8月6日、9日に何が起きたのか知らないと回答したとのことです。本番のユースフォーラムでは、時間の経過と共に風化する記憶を、実体験を持たない若者が懸命に伝えようとするその姿勢に、参加者全員が感銘を受けた様子でした。
平和首長会議を代表する広島・長崎両市長のほか、湯崎広島県知事も参加されたこの度の委員会は、関係者からの注目も高く、日本の報道機関も多数取材に訪れていました。そのような中、平和首長会議代表団の一員としての役割を全うしたユース非核特使の8名に心からの賛辞を送ると共に、今後の一層の活躍を期待します。
また、高校生8名が行ったプレゼンテーションの成功は、それぞれの懸命の努力に加え、この度引率を担当された高見英語科教諭(広島女学院中学高等学校)の熱心な指導と、平和首長会議を始めとする各関係機関からの様々なサポートが結集した賜物です。国連という大舞台での活動を成功裏に実施された各関係者のご尽力に深く敬意を表します。
※平和首長会議及びユース非核特使の詳細については、以下のウェブサイトをご参照下さい。
- 「平和首長会議」
- 「ユース非核特使」
http://www.mofa.go.jp/mofaj/press/release/press6_000379.html