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ゲーリー市への視察

12月18日から19日にかけてインディアナ州のゲーリー市にベンジャミン調査員とともに調査に行きました。目的は、急激な人口減に見舞われたアメリカの都市が、どのようにコミュニティーの再生に取り組んでいるか調査し、レポートの作成にあたるためです。

ゲーリー市内にはインディアナ州立大学のキャンパスの一つがあります。また、ミシガン湖沿岸はレジャー開発が可能な豊かな自然に恵まれているなど、同市には再興のための貴重な資源が豊富です。かつて繁栄をした鉄鋼業U.S Steelも40年数前よりは規模は小さくなったものの、いまも操業しています。

また、ゲーリー市はアメリカ南部のメキシコ湾岸に通じるシカゴ、デトロイト、クリーブランド、セントルイス等の都市を陸路で結ぶ中継地点として、Mid-Westの通過ハブ(鉄道や道路)となっており、企業にアメリカ中部の都市へビジネスの機会を提供しています。また、プライベート用飛行機から国際線までどんなサイズの飛行機でも収容することができる新しい空港が整備されています。

1990年代後半は全米一の治安が悪い都市でしたが、2015年を境に民間の財団等から助成を認められて様々な取り組みを行なっています。ゲーリー市長を2011年から務めているKaren Marie Freeman-Wilson氏は、NLC(全米都市連盟)の第一副理事長で、近年はThe Dollar Home Programという空き家対策を進めています。The Dollar Home Programとは、1年以内に補修し、5年間住むという条件で、1ドルで市が所有している空き家物件を購入できるというものです。

市長、市役所職員と共に視察を歓迎していただき、日本の自治体制度についても熱心に耳を傾け、市の現状も丁寧に説明してくださいました。まだまだ市外からの通勤者が少なく、賃金の低さに課題があるものの、職員も、ようやく歯車がまわり始めたと真剣に話されていたことが印象に残りました。
空家問題等、日本の地方都市の課題と共通する点も多いため、今後も情報交換していきたいと思います。

(会沢所長補佐 北茨城市派遣)

マイケル・ジャクソンをはじめとしたJackson5の故郷であるGary City
Gary市長(中央)と職員